読みやすい漫画を描くためには、どのようなことに気をつければよいのだろう?漫画を描いた経験が少ないと、どうしても画面が分かりづらくなってしまったりと、漫画制作の難しさに戸惑っていらっしゃる方が多いと思います。
そこで今回は、漫画の描き方をPixivにまとめていらっしゃった、なべたべなさんの解説漫画から、漫画のコマ割りや視線誘導といった、描き方のコツについて見てみましょう!
※この記事で紹介している内容はご本人の許可を得て掲載しています。
この記事の目次
漫画の視線誘導と読みやすい画面についての解説
はじめに
なべたべなさんが漫画を描くときに気をつけていることの解説講座です。
漫画の視線誘導と読みやすい画面について見ていきましょう。
ポイント①-斜めコマによる視線誘導
視線誘導のポイントは、『斜めコマであっても、90度角のコマと同じ枠内に必要な情報を配置する』とのことです。
実際のコマ枠は黒線ですが、視線誘導上のコマ枠は赤線となっています。
斜めでコマを区切っても、絵やテキストといった必要な情報を90度角の枠内に納めれば、読む側が混乱しないとのことです。
ポイント②-90度角のコマ割りによる、視線誘導の紛らわしい例
90度角のコマによるコマ割りは、漫画の基本に則って配置すれば問題なく読めますが、コマの割り方によっては紛らわしくなってしまうとのことです。
視線誘導が紛らわしくなってしまう例を載せています。
重要なポイントは、縦読み漫画の進行方向は右斜め上→左斜め下とのことです。
紛らわしいコマ割りにしてしまうと、読み手の気が削がれてしまいます。
但し、コマ内の配置によっては問題なく読める場合があるとのことです。
『斜めコマの注意点』と同じく、飛び出したコマを、前のコマの右・上の枠と揃えてコマ内の絵やテキストを配置すれば、問題ないとのことです。
補足で、視線誘導の枠を無視しても読み手に伝わる例を載せています。
緑矢印の部分は条件が同等で、どのコマから読んでも話に支障がないとのことです。
ポイント③-テキストと書き文字などの進行方向
コマ毎に、右斜め上から左斜め下のラインという、読ませたい順を意識しています。
絵の「∑(゚ロ゚」の「∑」なども、ライン上に乗せると尚よいとのことです。
ポイント④-吹き出しのレイアウト
吹き出しを宙に浮かさずに壁につけています。
会話の主観側は壁付けして、相手の吹き出しは宙に浮かせるとのことです。
確かに吹き出しを壁付けしたほうが、より読み手側に近いセリフに感じられる気がします。
ポイント⑤-1Pにおける人物のレイアウト その1
1p中に描く人物は、コマ毎に大きさをバラバラにすることで、画面の単調さを防ぎます。
バストアップのみでも、大きさと視点(アオリ・俯瞰など)を変えると、見やすい画面になるとのことです。
解説漫画では、コマ毎に人物の大きさを変えています。
コマ数が多い場合は、隣り合う人物の大きさを変えているとのことです。
例外として、フィルムのコマ送りのような表現や、対等に会話しているシーンでは、人物の大きさを同じにしているとのことです。
ポイント⑥-1Pにおける人物のレイアウト その2
コマ枠一杯に人物の外輪郭を描くのと、コマによる人物切断面が2辺以上ある絵は、多用すると息苦しくなってしまうとのことです。
解説漫画のように、赤矢印の箇所に空間を作りましょう。
逆に、人物の切断面が1辺以下の絵を多用すると、引きの絵が多くなって印象が薄くなってしまう場合もあるとのことです。
ポイント⑦-テキストの推敲とコマ内に何を描くか
文字がなくても絵で大体の内容が分かれば、台詞やモノローグの量を最小限にできるとのことです。
一例として、ページの上半分で、『クラスメイトの鈴木が欠席していることを気に掛ける主人公』を表現しています。
左の例では、鈴木は主人公CPの片割れ、現在の展開上の重要な人物という役割を持っています。
右の例では、鈴木は単なるクラスメイト、モブの役割をしています。
感覚が掴みにくい方は、一度、文字のない漫画を描いてみるとよいとのことです。
最後に
漫画の描き方の基本は、自分の絵柄や作風に一番近い、漫画雑誌の投稿批評ページを読むと分かるとのことです。
・人物線は太い線、髪や顔のパーツや背景は細い線で
・コマとコマの間は上下を広く、左右は狭く取る
・CPの髪は片方は白、片方はベタ…など
読みやすさ=どれだけ読み手さんと仲良くなれるか、とのことです。
読みやすい漫画が描きたいとお悩みの方のための、漫画の解説講座でした。
まとめ
読みやすい漫画を描くためのポイントを知ることができました。漫画は描き始めで、どのようなことに気をつければ分からないとお悩みの方は、なべたべなさんの解説漫画を参考にしてみてください。
最後に、なべたべなさんのPixivをご紹介します。他にも素敵なイラストをご投稿していらっしゃいますので、ぜひご覧ください!
なべたべなさんのPixivはこちら